2020年12月30日から2021年1月2日まで、京都の三条大橋から静岡県浜松の天竜川沿いにある六所神社まで、250㎞を4日間かけて走ってきました。
リカバリーと称して2週間ほど全く走らない期間を過ごしていましたが、運動を全くしないと体は重くなるし、思考はどんどんマイナスになっていくので、2週間休んだ先週からボチボチと走り始めています。
リカバリーや練習については話し出すと長くなるので別の記事で触れることにして、今回は初めて参加したウルトラマラソンで役に立った装備を紹介していきます。
今回紹介する装備ですが、前提として「42㎞しか走ったことがない月間走行距離100~200㎞程度のランナー」という前提になります。毎月200㎞以上走っているランナーや、ウルトラマラソンに何度も出走している猛者にとっては当たり前になるかもしれません。
ウルトラマラソン初心者、月間走行距離200㎞以下、真冬、エイド無し、4日間のステージレースが前提条件
今回出走した東海道ウルトラマラソン(EWTU2020)ですが、公式な大会ではなく年末年始に250㎞走ると言う一般的に考えると頭のおかしいメンバーで有志となって開催するレースです。
有志による大会なので、走行できる時間帯や野宿禁止といった最低限のルールはありますが、当然ながら補給できるエイドなんかはありません。基本的には、自分たちでなんとかしてゴールにたどり着くのが前提となります。
エイドがあれば持って行く荷物は少なくできますが、エイドがないので自分で荷物を背負って走る必要がありました。幸い東海道ということでコンビニや食事ができるお店は多くあるので、食料以外の装備を万全に、しかも、重すぎないように準備することが、250㎞を走るには必要なポイントでした。
東軍はサポートメンバーがいなかったこともあり、着替えも背負っていったり、事前に立ち寄るであろう駅のコインロッカーに着替えを預けたりして対応していました。
我々西軍はサポートメンバーが車でついてきてくれたため、着替えは車に積んでおくことができました。そのため、絶対に欠かせない装備だけに絞ることができたのは幸運でした。
それでも、250㎞を走るウルトラマラソンは装備を万全にしていないと危険です。僕は事前の練習でいろいろな条件で走ってみて、持って行く装備を決めることにしました。
装備① 寒さ対策スポーツ専用インナーウェア
一番重要だと思う装備は、寒さ対策で肌に直接触れるインナーウェアだと思います。
ウルトラマラソンだと長時間走る必要がありますが、真冬でも走っていると汗がどんどん出てきます。寒さ対策でウェアの内側に来ているインナーが汗を吸っていきますが、その汗が真冬の運動では適切に処理できることが、長時間走り続けるにはとても大切になります。
汗がすぐに蒸発してしまうと、汗が蒸発する際に体から熱を奪っていってしまいます。逆に、汗が蒸発せずにインナーにたまってしまうと、低い外気温で汗冷えを起こしてしまいます。
実際にぼくは練習で汗をうまく処理できないインナーを来てフルマラソンを走ったとき、汗がうまく処理されずにインナーに残って汗冷えを起こしてしまい、結果としておなかを冷やして下痢になってしまったことがありました。そのときは、コンビニがあったので事なきを得ましたが、もう少しで人生最大の汚点を残す事になるところでした。
練習で苦い経験をしたので、汗をうまく処理できるインナーを最優先で準備しました。色々調べましたが、ぼくが最終的に購入したインナーは「Runtage サーモニクス トップス 発熱 調温 汗冷え解消 スポーツ専用インナー 」でした。
このインナーは汗冷えを抑制しながら、汗と温度をコントロールしてくれるスポーツ専用の防寒ウェアです。よくあるインナーは発熱を考慮していますが、Runtageのサーモニクスは「調温」をコンセプトにしており、皮膚の温度によって汗などの水分をコントロールしてくれるので、体温を一定に保つことが出来ます。
4,000円程度だったので、試しに一着買ってみて練習で試したところ、発汗による汗冷えが改善されていると実感することができました。そこで、真冬のウルトラマラソンにぴったりだと思い、合計で2着を持って行くことにしました。
実際のレースでも初日は鈴鹿峠が吹雪だったり、2日目は雪でしたが、このインナーのおかげで寒さ対策をしながら快適に走りきることが出来ました。
装備② 夜間&早朝対策用ヘッドライト
二つ目に重要だと思った装備は、暗い道でも快適に足元を照らしてくれるヘッドライトです。
今回の東海道ウルトラマラソンは、安全を考慮して走行可能な時間が5:00~23:00までとなっていました。そのため、基本的には太陽が出ている日中に走ることが多くなります。ただし、2日目以降はが動かなくなるので、まだ外が位早朝から走り出して、夜も21時くらいまで走ることを考えておく必要がありました。
事前練習で名古屋の熱田神宮から豊橋まで60㎞を走った時は、豊橋手前で17時を過ぎて日が暮れてしまい、暗い夜道をはしることがありました。この時は国道一号線沿いを走りましたが、意外と街灯がなく道も狭くて凸凹していた為、ヘッドライトがなかったらとても危険な状態でした。
ヘッドライトは100均でも買うことができますが、運動することを考えて作られていないため、走るとガンガン揺れます。ゴムも安物なのですぐに伸びます。そのため、過酷なトレイルランニングや登山で実績のあるメーカのヘッドライトを購入しました。
Ledlenser(レッドレンザー) MH5 ブラック/オレンジ LEDヘッドライト 登山 USB充電式 [日本正規品]
最終的には、ドイツのメーカーであるLedlenserのヘッドライトを買いました。トレイルランニングや登山でも実績があるし、USB充電式ながら充電が切れたら市販の単三電池でも使える所がウルトラマラソン向きだと感じまして、ひとめぼれに近い状態で購入しました。
初日の鈴鹿峠はアップダウンがある道路を、吹雪だったので歩くと危険だったため、それなりのスピードで走りました。既に17時を過ぎていたので購入したLedlenserのヘッドライトを頭につけて走りましたが、揺れることもなく快適に夜道を照らしてくれました。
装備③ モバイルバッテリー
ウルトラマラソンはスマホを見る回数も多くなります。今回は250㎞で宿場町のチェックイン用に必要なアプリや、コースを調べるためのマップをスマホでよく使いました。
長距離を長時間走るウルトラマラソンでは、スマホの充電を確保することは生命線になります。そのため、スマホの充電が切れた時に対応できるモバイルバッテリーは必ず準備しておく必要がありました。
今回は毎晩ホテルに泊まるレースだった為、1回分だけ充電できれば良い軽量なモバイルバッテリーがあればよいと考えていました。最終的にはAnkerの5000mAhのものを買いました。
最軽量と書かれていましたが、あとからよく見てみると5000mAhの容量だったので、到着した時は「おっきいな!」と思いました。それでも軽量で場所も取らなかったので、レースでハンデになることはなく、何度か充電したので用意しておいて間違いはなかったです。
装備➃ ワイヤレスイヤホン
個人的に買っておいて良かった装備No1は、ワイヤレスイヤホンです。
ウルトラマラソンは超長距離を走りますが、走っていると精神的に参ってきてしまい、気力がそがれていく場面が必ずあります。ウルトラマラソンを走ったことがない初心者だと、気力がそがれるだけではなく、経験不足から対応できずにそのままリタイヤを選んでしまう可能性があります。
ウルトラマラソンを走った猛者たちは経験上気力を保ったり、気分を盛り上げる方法をしっていますが、初心者だったぼくはそんな経験も知識もありませんでした。
そこで、音楽でも聴いたら気がまぎれるかなと思い、普段は使わないワイヤレスイヤホンを購入しておきました。
運動中につかうので、防水対応が必須だと考えましたが、あとは完全に自分の好みで明るい色を選びました。JBLを選んだのは、家で使っているスピーカーがJBLだったからです。
ワイヤレスイヤホン、結果としてめちゃくちゃ当たりでした!
4日目の最終日は胃腸トラブルに足が動かないなど、最悪な状態でした。そこで大好きなアーティストの音楽を聴いて気を紛らわせたことで、結果的に残りの30㎞をなんとか乗り切ることが出来ました。
気力を振り絞る方法はたくさんあると思うので、ランナーごとに千差万別ですが、僕はワイヤレスイヤホンで音楽を聴く方法はかなり効果がありました。
装備⑤ リュックサック・バックパック
最後は、走っても揺れが少ないバックパックです。
以前から僕はトレイルランニングもやっていたので、バックパックは6Lの小さい物は持っていました。今回はウルトラマラソンで真冬ということもあり、着替え用のウェアや雨具を中心に、ある程度荷物が入るバックパックを準備する必要がありました。
色々検討しましたが、コスパも良くてシンプルなデザインだったサロモンの20Lバックパックを買いました。
[サロモン] バックパック・リュックサック TRAILBLAZER 20 (トレイルブレイザー 20L) Black/Black
ウルトラマラソンでは不安から荷物を多くしてしまいがちですが、少しの重さでも超長距離を走っているとダメージが蓄積されます。そのため、20Lは大きすぎるかもと思いましたが、僕は1Lのハイドレーション(水をいれるやつ)を背負って走るため、ある程度の余裕を考慮して20Lにしました。
走っていても揺れは少なかったですが、ベストタイプや小さいバックパックに比べると揺れは大きかったので、もう一サイズ小さくても良かったように思います。
ただ、ウルトラマラソン以外でも日帰り登山やトレイルランニングに使えることもあり、最終的には20Lで落ち着きました。
ウルトラマラソンは装備の検討で勝負が決まっている
ウルトラマラソンは装備で勝負が決まっているといっても、過言ではありません。
今回一緒に西軍で参加した経験豊富なメンバーは、雨から寒さ対策、そして靴の水濡れ防止まで、ありとあらゆる準備をしていました。そのメンバー曰く「小さなことが蓄積されて、結果的に完走できないことがよくある」とのことでした。
今回250㎞を走ってみて、その言葉の意味を深くかみしめています。
ウルトラマラソンは練習以外に装備も大切になります。初心者の皆さんは経験者に聞いたり事前に試したりして、できるだけ準備万端でレースの臨むことをお勧めします!