こんにちは。のぶさん(@nobu3manyu)です。
1970~80年代に、日本やニューヨークで活躍された女性ジャーナリストである千葉敦子さんの著書「よく死ぬことは、よく生きることだ 」を読んでみました。
この本は、千葉敦子さんが1981年に乳がんを患ってから再発を繰り返しながら治療を続けていた1987年に書かれています。
ジャーナリストである千葉敦子さんが長い闘病生活を続けながら、仕事やニューヨークでの生活を通じて経験されたことが書かれています。
ニューヨーク移住について詳しく書かれた著書は、こちらの記事で書いています。
乳がんを3度再発しながらも、自分の決めた生き様を大切にして一日ずつを生きていく姿は、読者が人生を生き抜くために必要な考え方や勇気を与えてくれます。
ふとしたことから図書館で手にしたんだけど、引き込まれてスグに読んでしまいました。
千葉敦子さんの「よく死ぬことは、よく生きることだ」概要
「よく死ぬことは、よく生きることだ 」は、1987年4月に出版されました。この記事を書いている2020年7がつから数えて、33年前に書かれた本になります。
既に絶版となっているようで、アマゾンでは中古の本しか販売していませんでした。ぼくは、たまたま図書館にあったので手に取ることができました。
著書の内容ですが、千葉敦子さんの乳がんとの闘病を記しています。
- 上智大学での講演議事録
- アメリカのホスピスを通じた日本とアメリカの医療状況説明
- 千葉敦子さんの死と生に対する考え方
ザックリとまとめると、主に上記3点のポイントに分けることができます。特に、千葉敦子さんの死と生に対する考え方を、実際の闘病生活も交えて触れているのですが、読者側に様々な問いを突き付けてくるような内容になっています。
千葉敦子さんの経歴
千葉敦子さんは1940年に戦時中の中国・上海で生まれて、終戦後日本に帰国します。その後、1964年に学習院大学を卒業後、東京新聞に入社してジャーナリストとして歩み始めます。1967年にアメリカのハーバード大学留学を経て、1975年に独立後はフリーのジャーナリストとして活動されています。
1981年に乳がんを患い、手術を行います。その後も1983年に乳がんを再発してしまいますが、なんと乳がんと闘病しながらニューヨークへ移住をしています。
その後もニューヨークと日本で活躍されますが、1984年に乳がんを再々発、1987年にニューヨークの病院で生涯を閉じています。
乳がんを患いながらも、自分の信念に基づいて人生を選択していく姿は、非常に多くの問いかけをぼくに投げてきました。
「よく死ぬことは、よく生きることだ」目次
「よく死ぬことは、よく生きることだ 」は214ページで構成されていますが、非常に読みやすくまとめられており、2時間もあれば読めてしまいます。ただ、内容は非常に濃く、ぼくは何度もメモをとるために読むのを止めていました。
目次は下記になります。
1、死への準備
2、人生最後の日々を過ごす場所 -心豊かに死を迎えるには-
3、ガンと生きる
4、三度目の再発
一般的にがんが再発するという状況は、正常な心を保つのが非常に大変だと推測できます。しかし、千葉敦子さんの著書は読んでる側に心苦しさを与えない書き方でありながら、ご自身の置かれた状況を正確に描写しています。
壮絶な状況でありながら、読者にはある種の気持ちよさを感じさせてくれる書き方で、読了後に重くのしかかる感じでないのが、千葉敦子さんの生きる姿勢を著書に表しているのだと思います。
千葉敦子さんが読者に突き付ける圧倒的な問いかけ
「よく死ぬことは、よく生きることだ 」は圧倒的な勢いで、読者に問いかけをしてきます。そのため、何度も読む手を止めて、自分自身の生きてきた姿勢を考えさせられます。
ぼくが最も印象に残った文章を挙げておきます。
死の考察が私に教えてくれた。
人生の成就は、死ぬ前に何をしたいかを明らかに定義することによってのみ達成される。
死が近くなった時、最も哀れな人間は、人生に何もはっきりした目的をもっていなかった人たちだ。
ここまではっきりと人生の意義に対して言い切れるのは、千葉敦子さんが乳がんとの戦いで死をはっきりと意識させられる状況にいたからこそだと思います。
そして、なにより、自分の生きたい人生を常に歩んできたからこそ、乳がんという一見絶望的な状況に立たされても、人生の意義をはっきりといえるのだと感じました。
普段から死を意識して生きていなければ、絶望の淵に立たされたら、とてもじゃないが自分を正常に保つことなんてできないからです。
~最後に~ 自分は何をするために生きているのか?残された時間に何をするべきなのか?
2020年はコロナウィルスの影響で、これまで生きてきた当たり前の景色がどんどん変わってきている状況になってきています。
その中において、改めて自分がどのように生きて、どうやって死んでいきたいかを定義しておくことが、後悔のない人生を歩むことができるのだと、強く感じました。
人生において迷っている人や岐路に立っている人は、是非「よく死ぬことは、よく生きることだ 」を手に取ってみて頂きたいです。
敵を知らないで戦うことはできない。その敵をしっかりと見据えて、ほぞを固め、ただ一度の人生を私らしい生き方で生きたい。そして、命が尽きる時には、私らしい死に方で死にたい、と日ごろから考えていた。