【書評レビュー】「昨日と違う今日を生きる」ジャーナリストで乳がん患者でもあった千葉敦子さんの人生を後悔しない生きざまとは?

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こんにちは。のぶさん(@nobu3manyu)です。

以前、日本とニューヨークで活躍されたジャーナリストである千葉敦子さんの著書について、記事を書きました。

【書評・レビュー】ジャーナリスト千葉敦子さんの「よく死ぬことは、よく生きることだ」は人生を生き抜く考え方と勇気をくれる名著だった! | 生涯現役、臨終定年
こんにちは。のぶさん(@nobu3manyu)です。 1970~80年代に、日本やニューヨークで活躍された女性ジャーナリストである千葉敦子さんの著書「よく死ぬことは、よく生きることだ 」を読んでみました。 この本は、千葉敦子さんが1981年

千葉敦子さんの乳がん再々発という普通の人ならあきらめてしまう状況でも、生きる意味を見失わず、自分の生き様を貫いた姿に強烈な問いを突き付けられ、続けざまに著書を購入しました。

今回購入した著書は「昨日と違う今日を生きる (角川ソフィア文庫)」になります。

人生を生きていく意味がわからなくって迷いが生じてしている人には、是非とも手に取ってほしい本です。

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千葉敦子さんが生涯を閉じた後に出版された「昨日と違う今日を生きる」

昨日と違う今日を生きる (角川ソフィア文庫)」は、千葉敦子さんが生涯を閉じた1988年1月に出版された著書になります。


昨日と違う今日を生きる (角川ソフィア文庫)

千葉敦子さんの著書のほとんどは絶版となっていて中古本しか手に入りませんが、「昨日と違う今日を生きる (角川ソフィア文庫)」は電子書籍で読むことができます。

著書の内容は、千葉敦子さんが乳がんを再発してから、ニューヨークに移住して奮闘を続ける姿を描いています。

  • 乳がん再発とニューヨーク移住
  • ニューヨークでの生活
  • がんと闘いながら送る生活と仕事

主に上記の3点に分かれており、乳がん再々発という壮絶な状態にありながらも、客観的な視点も失わずにジャーナリストして書くべきことを淡々と書いている印象を受けました。

最後には千葉敦子さんのインタビューも載っており、当時の心境もリアルに感じ取ることができます。

千葉敦子さんの経歴

千葉敦子さんは日中戦争という激動の真っただ中の1940年に、中国の上海で生まれます。終戦後は日本に戻ってきて学習院大学を卒業し、東京新聞で経済部の記者としてジャーナリストのキャリアを開始しました。

ハーバード大学留学や一般企業でのキャリアを経て、1975年ころからフリーのジャーナリストとして活動を開始します。千葉敦子さんが独立したころの日本は、女性が第一線で働くことが少数派だった時代であり、いろんな苦労があったと推測します。

それでも、千葉敦子さんはご自身の信念に基づいて、成長し続ける環境を求めて自ら環境を変えていっています。この点は、今のキャリア論にも十分に参考となります。

同じ仕事を長く続けていては、成長しなくなるという強い恐怖感があり、また、せっかく二十世紀後半に生きる幸運に恵まれたのだから、一つの文化のなかで一生を終えてしまってはならないと思っているのだ。

キャリアで悩んでいる人にとって、千葉敦子さんの考え方は、大いに参考するべきだと思います。

「昨日と違う今日を生きる」 目次

昨日と違う今日を生きる (角川ソフィア文庫)」は乳がん再発以後の話をまとめています。ぼくからすると乳がん再発という状況において、それでも前を向いてファイティングポーズをとり続けた千葉敦子さんは、尊敬に値する人物です。

1、がん再発が告げられたとき
2、女性が住む国を変えるとき
3、ニューヨークに住みつく
4、ニューヨークその日その日
5、創造の都市
6、ガンと闘いながら

千葉敦子さんは、乳がんを再発してからニューヨークへの移住を決意しています。経済的に決して良い条件ではなかったようですが、それでも限られた時間を自分が憧れた都市で好きな仕事をするために、闘病を続けながらニューヨークへ単身移住しています。

ニューヨークへ移住したとき、千葉敦子さんは43歳でした。

千葉敦子さんの生き様に触れていると、本当に強くて自分の気持ちに正直な人なんだと思ってしまいます。実際には千葉敦子さんは強い信念以外にも、闘病を通じて人生に限りがあることを悟られていたんだと思います。

人生で残された時間に限りがあることを身をもって痛感し、もしかしたら明日、自分の人生が終わってしまうかもしれないと理解していたからこそ、どんなに大変な条件であってもニューヨーク移住を決行したのだと思います。

がんが再発したからといって、私は人間としてのオートノミー(自主性、自律性)を失うわけではない。寝たきりだったり、自分の身の回りのことも思うにまかせない人たちや、あるいは、始終空腹に悩み身の危険に晒されている人々が、世界中に何億といるのだ。そういうことを思い出せば、たかがガンの再発くらいで意気阻喪し、感傷的になったりしてはいられないことに気が付く。

そして、ぼくが「昨日と違う今日を生きる (角川ソフィア文庫)」で強烈な問いを突き付けられた文章になります。

人生の偉大な喜びは、とてもできっこないと他人が思っていることをやってのけることだ。だが、私には他人がどう思うかより、自分でもできないかも知れないと思ったことをやってみた喜び、といったほうがぴったりくる。やってみれば道が開けることも経験済みだ。

ぼくはやりたいことを思い描いても、自分自身でブレーキをかけてしまって行動に移さないことがあります。それは、できそうもない条件や理由を並べて、自分自身を信用していないことから目を背けていたことに、千葉敦子さんの文章に触れて気が付きました。

自分を100%信用しているからこそ、どんな条件だろうが行動し続けることができる。それがわからないうちは、いつまでたっても行動を起こすことができないわけです。

そして、行動しなければ、永遠に自分が思い描いていた理想は手に入らないということだと、千葉敦子さんの著書は強く訴えかけてくる感じがします。

夢を実現するために一歩踏み出せないひとにこそ、読んでほしい。

昨日と違う今日を生きる (角川ソフィア文庫)」は、人生においてやりたいことがあるにも関わらず、自分自身を信じ切れずに行動に移せない人にこそ読んでほしいと思います。

千葉敦子さんは47歳で早すぎる人生の幕を下ろすことになってしまいましたが、大好きなニューヨークで、自分の好きな仕事をして生活をしていたことは、本当に幸せな人生だったと思います。

まさに、千葉敦子さんが著書で書いている言葉通りに、自分の生きざまを人生というキャンパスに描いていったのではないだろうかと感じました。

私にとっては、予測できる、決まり切った毎日というのは耐えられない。人生は、思いがけないことが起きるから豊かだといえるのではないだろうか?そして、他の人に思いがけなさを贈るのが、本当の喜びではないだろうか?

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